当院の手術方法

ネットでご希望の初診・再診の日時をご予約できます。

※遠方からご来院の患者様で初診翌日に手術をご希望の場合は、ネット予約ではなく必ずお電話:092-534-7507でご予約ください。

手術方法について

低位交感神経遮断術(低位ETS)

当クリニックでは、手のひらの汗を支配する第2~第4交感神経のうち、第4交感神経のみを遮断する手術を行っています。
多汗症手術の世界的権威であるDr. TelarantaとDr.Linの説では、高位の神経を遮断するほど代償性発汗は高度になります。一方、手のひらの汗は高位の神経を遮断するほど減少します。この相反する二つのバランスをいかにうまく調整するかが重要です。
第2交感神経(R2)の遮断では、手のひらの汗がまったく出なくなり、代償性発汗は高度です。第2交感神経は遮断すべきではないという考えは世界的に広がりつつあります。院長が、勤務医時代を含め担当した過去10000例以上の多汗症手術の経験から、第4交感神経(R4)の遮断では、手のひらの過剰発汗が停止し、ほぼサラサラになります。代償性発汗の程度も個人差がありますが、R2遮断、R3遮断よりも少なくなります。

 

したがって当院が推奨する低位ETS方法とは、第4交感神経(R4)のみを遮断する方法です。てのひらの過剰な汗は停止し、ほぼサラサラになります。
他人と手をつないだり、字を書くときに、これまでの気遣いや不便を感じることはありません。手のひらの汗はほんの少しだけでることもありますが、逆に完全な手のひらの汗の停止は過剰な代償性発汗を生み出します。
生理学的にも、てのひらの汗がほんの少しだけでる状態は、からだの正常な自律神経のバランスを保っているという証拠です。むしろ第2交感神経遮断(R2),第3交感神経遮断(R3)ではてのひらがカサカサになりハンドクリームが必要になることもありました。

 

※以前は胸膜を切開して神経節そのものを切除する手術法でしたが、現在は肋骨上で神経幹を切離する手術方法が一般的です。したがって、ここで説明する神経の高さは肋骨の部位で表しています。当院では神経再生による再発を防げるように、第4肋骨の高さ(R4)で縦横に広範に交感神経を焼灼し切離しています(図:丸で囲んだ範囲)。

 

R4遮断でも代償性発汗が予想以上に多くて手術を後悔している患者様も少なくとも20人程度(全体の約0.3%)おられます。手術結果には個人差があることを十分にご理解の上、手術をお受けになるかどうかをご判断ください。この手術には代償性発汗というデメリットは程度の差こそあれ100%の患者様に出現するので、いかに手の汗で悩んでいるのかが手術適応となります。

 

代償性発汗には個人差があり、代償性発汗で後悔しても再手術で元に戻すことはできません。したがって手術を後悔しないためには手術を両側同時にするのではなく、片方ずつ慎重に行う選択肢があります。片側手術では代償性発汗は両側の半分の量になりますから、いきなり後悔するような代償性発汗発汗ではありません。まずは利き手の手術を行い、自分の代償性発汗の量、部位をすべて納得してから反対側の手術をするかどうかをゆっくりと判断すれば、少なくともシャツやズボンが濡れるほどの過剰な代償性発汗で後悔することはありません。利き手がサラサラになれば「字を書くときに紙がぬれない」、「躊躇なく他人と手を触れることができる」など、利き手だけの手術でも手術前とは全然違うと十分に満足されている患者様も多くいらっしゃいます。しかも利き手がサラサラになれば精神的にもリラックスできるため、3割の患者様では反対側の手の汗も減少しています。片側ずつ慎重に手術すれば、代償性発汗を体験してから反対側の手術を受けることになり、少なくとも過剰な代償性発汗で後悔するリスクを避けることができます。

当院での麻酔方法と手術時間

全身麻酔を行い、わきの部分より3mmの胸腔鏡を用いて手術をします。これまでに手の汗で困っている患者様8200人以上に手術を行い、手術時間は片手で5分以内、両手で10分以内です。

ご希望があれば、ご家族の方はモニター室で患者様の手術の様子もご覧になれます。

手術前の手汗量(赤:右手、青:左手)
 右手:Ave 1.021 mg/cm2・min
           Max 1.448 mg/cm2・min
 左手:Ave 1.013 mg/cm2・min
           Max 1.440 mg/cm2・min
SKN-2000M Perspiration Meter(SKINOS)

手術後の手汗量(赤:右手、青:左手)
 右手:Ave 0.152 mg/cm2・min
    Max 0.166 mg/cm2・min
 左手:Ave 0.102 mg/cm2・min
    Max 0.116 mg/cm2・min
SKN-2000M Perspiration Meter(SKINOS)

手術後のきず跡と術後経過

手術直後から手はサラサラになります。キズは小さく、テープで固定しますので抜糸や消毒の必要もありません。術後3~4時間で退院でき、翌日からシャワー、翌々日から入浴可能です。

 

当院で手術を受けた患者様の声はコチラ

多汗症手術効果とデメリット

1.手汗はサラサラになります。

2.代償性発汗は多かれ少なかれ100%に出現します。代償性発汗の発汗部位も発汗量も個人差があります。片側手術では代償性発汗の発汗量が半分で済むため、まずは慎重に利き手の片側だけ手術する選択肢があります。

3.わき汗の効果は8割程度、足汗の効果は1割程度です。手ほどサラサラになるわけではありません。

4.熱いものや辛いものなどを食べたときに顔から出る汗(味覚性発汗)が増加することがあります。

5.手術とは直接因果関係がないような精神的な不定愁訴、うつ状態、心因反応?が増悪することがあります。

手術費用について

当院での多汗症手術費用は健康保険適応で3割負担の場合、約8万円です(高額医療の限度額を越した差額分は後で返金されるます)。クレジットカードでのお支払いも可能です。また、また、日帰り入院(1日入院)での手術ですので、生命保険の入院給付金や手術給付金の対象(手術名:胸腔鏡下交感神経切除術手術名手術、コードK196-2)です。

*当院では両手同時手術または片側手術の選択は原則として患者様のご希望に沿って行いますが、手術の費用は両側でも片側でも同額となります。

手術以外の多汗症治療法

1.抗コリン剤内服薬(プロ・パンサイン):手汗が出始める前の朝起床時に1~2錠内服すると発汗を抑えることができます。副作用はのどが渇くことですが、水分を補給すると汗が増加しますのでこれを我慢する必要があります。処方箋が必要ですので、当院でも処方いたします。

2.アルミニウム・ローション:市販されている制汗ローションは濃度が低く制汗作用が弱いため、当ビル1階のドレミ薬局にお願いして20%アルミニウム ローションを取り扱っています。処方箋は不要です。お求めおよび詳しい使用方法はドレミ薬局(下記)にお問い合わせ下さい。

制汗ローションのお問い合わせ
ドレミ薬局
福岡市中央区高砂1-8-8
TEL:092-405-0333

アルミニウム・ローションのご注文はコチラ

 

低位交感神経遮断(R4遮断)の有効性は国際学会でも発表されています

 
 

国際学会活動

 

おだ院長は、2年毎に開かれる多汗症の国際学会である国際交感神経外科シンポジウム(International Symposium of Sympathetic Surgery, ISSS)に2003年の第5回ドイツ大会から20年間にわたり11回連続して論文を発表しています。このような国際学会から得た多汗症に関する知識と経験を今後の多汗症診療に生かしていきます。

2015年10月に第11回国際交感神経外科シンポジウム(International Symposium of Sympathetic Surgery)が南米チリのサンチャゴで開催され、おだ院長が招待講演を行いました。

2016年7月に韓国Yonsei大学Gangnam Severance病院で開催された韓国多汗症シンポジウムでおだ院長が招待講演を行いました。

2017年3月に中国の海口市で第8回中国多汗症学会でおだ院長が招待講演を行いました。

2017年4月におだ院長が多汗症治療をメインテーマとする第12回国際交感神経外科シンポジウム(The 12th ISSS)を会長として福岡で主催しました。詳しくは第12回ISSSをご覧ください。

2019年10月3日から5日まで第13回国際交感神経外科シンポジウム:ISSS(多汗症手術の国際学会)がイタリアのピサで開催されました。今回の理事会で小田院長がISSS President(学会理事長)に就任しました。今後とも国内、海外において多汗症治療に貢献できるように尽力いたします。

2022年12月に第14回国際交感神経外科シンポジウムが中国の北京でWeb開催されました。おだ院長は低位交感神経遮断(R4-ETS)での片側手術(利き手のみ)後に、反対側の手の発汗も抑止されることを発汗計を用いて定量的に証明した調査結果を発表しました。利き手がサラサラになれば日常生活の悩みが軽減し、精神的に楽になることで、精神性発汗である過剰な手汗が両手とも抑制されると考えられます。

2023年6月に第31回アジア心臓・胸部外科学会総会が韓国の釜山で開催され、おだ院長は多汗症治療の最先端というテーマで招待講演を行いました。

2024年4月に第15回国際交感神経外科シンポジウムが米国NY州のHyde Parkで開催されました。おだ院長は手掌多汗症に対する片側手術(利き手のみ)と両側同時手術の長期成績を発表し、また赤面症に対する片側交感神経遮断手術についても発表しました。

 

 

国際交感神経外科シンポジウム(ISSS)の学会ホームページもご覧ください。

 

第15回国際交感神経外科シンポジウム(ハイデパーク、ニューヨーク、米国、2024年)の詳細
第14回国際交感神経外科シンポジウム(北京、中国、2022年)の詳細
第13回国際交感神経外科シンポジウム(ピサ、イタリア、2019年)の詳細
第12回国際交感神経外科シンポジウム(福岡、日本、2017年)の詳細
第11回国際交感神経外科シンポジウム(サンチャゴ、チリ、2015年)の詳細
第10回国際交感神経外科シンポジウム(メルボルン、オーストラリア、2013年)の詳細
第9回国際交感神経外科シンポジウム(オーデンセ、デンマーク、2011年)の詳細
第8回国際交感神経外科シンポジウム(ニュ-ヨーク、米国、2009年)の詳細
第7回国際交感神経外科シンポジウム(ポルト・デ・ガリーニャス、ブラジル、2007年)の詳細

 

当院の多汗症手術に関する論文

 

日帰り手術について

身体的、精神的、経済的にさまざまなメリットがあります。

診療日には毎日日帰り手術を行い、土曜、日曜(第1・3・5)も手術を行っていますので、患者様のご都合の良い日に合わせたスケジュールが立てられます。入院する必要がない分治療費が抑えられ、体に負担の少ない手術法の採用により、手術後は歩いてご帰宅いただけます。

痛みが少なく体にやさしい手術と麻酔

痛みが少なく体にやさしい手術法や麻酔法の進歩により、日帰り手術は可能になりました。「入院するほうが病気の治りが良い」ということはありません。当院では安心して日帰り手術を受けていただけるように、スタッフ一同研鑽しています。

日帰り手術のメリット

入院のわずらわしさがなく、時間の節約になります。多忙なビジネスマンやOL、小さなお子様やお年寄りをかかえた主婦の方々にとって、日常生活の延長線上で、それも少ない拘束時間でその日に帰宅できるのは、日帰り手術の大きなメリットです。社会復帰も早く、入院費用がかからないため分だけ医療費が削減され、精神的負担も軽くできます。保険者側のメリットとして、入院費の医療費が削減され、国が推し進める国民総医療保険料を抑えること可能となります。病院側としても、入院による手術と同品質の医療を日帰り手術で提供することで、患者様に選んでいただけるクリニックを実現することができます。
「All Winners, No Losers.」、すなわち患者様、保険庁、医療サイドのすべてにメリットがあります。

手術後も安心

当クリニックでは、体にやさしい手術法を採用し、手術時間も短いため、できるだけ負担の少ない手術を実現しているのに加え、術後に消毒などの必要もありません。シャワーや入浴も翌日、または翌々日と早期に可能です。遠方の患者様は手術後も福岡に1泊し翌日診察後に帰宅していただきます。

 

日帰り手術の流れ

日帰り手術の流れについてご案内します。

外来受診

  • 検査、処置を行います。(胸部X線・心電図・肺機能検査・採血 など)
  • 医師、コーディネートナースからの説明。
  • 手術前2週間は禁煙していただきます。
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手術前日

1.前日も入浴していただけます。爪を切り、男性は髭を剃っていただきます。

2.お化粧はせず、マニキュア、ペディキュアをとって来院していただきます。

3.夜9時以降は絶食になります。(お水、お茶は飲めます)

4.以下をご準備いただきます。

  • バスタオル
  • スリッパ
  • 髪ゴム(髪の長い方のみ)
  • 同意書
  • 入院診療計画書
  • 入院治療計画書
  • (個室の方は)個室利用に係る同意書
  • 保険証
  • お薬手帳
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当日

手術前

  • 着替えをしていただきます。
  • 点滴を行います 。
  • この間も絶食になります。
  • 以下の注意点があります。
    ・メガネ、コンタクト、指輪、時計、義歯、ヘアピン、アクセサリー、マニキュアなどは
     外してください。
    ・お化粧はしないでください。
    ・下肢に弾力包帯を巻きますので、ゆったりとした服装とくつでご来院ください。

手術後

  • 検温、血圧測定を行います。
  • 帰室2時間後に胸部X線を撮ります。
  • 手術後に病院から軽食をお出しています。その後に一回分の薬を服用していただきます。
  • 夕食より普通食を召し上がっていただけるようになります。
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退院後

  • 胸や背中の痛みがあります。2週間ほど続く場合もありますが、自然に軽快します。
  • 飲み薬を服用していただきます。
  • 手術翌日よりシャワー、翌々日より入浴ができます。
  • 激しい運動、喫煙は1週間控えてください。
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再来

  • 胸部X線検査、採血を行います。遠方の患者様は手術翌日、近郊の患者様は1週間以内に再来していただきます。

※上記流れは一般的なものです。患者様の状態によっては、多少変動する場合があります。

 

 R4遮断でも代償性発汗が予想以上に多くて手術を後悔している患者様も少なくとも20人程度(全体の約0.3%)おられます。手術結果には個人差があることを十分にご理解の上、手術をお受けになるかどうかをご判断ください。この手術には代償性発汗というデメリットは程度の差こそあれ100%の患者様に出現するので、いかに手の汗で悩んでいるのかが手術適応となります。

 当院では保存的治療や代償性発汗に関するインフォームドコンセントを十分に行い、手術を希望される場合には両側同時手術と片側手術を患者様が選択しています。利き手だけ手術を行った8割以上の患者は利き手がサラサラになっただけで十分に満足され、結果して2期的に反対側の手術をしていません.しかも3割以上の患者様では「字を書くときに紙が濡れない」、「躊躇なく握手したり、手をつなげる」など、他人と手を触れる場面でドキドキしなくなり精神面で落着いて反対側の手汗も減少しています。

 手の汗で深刻に悩んでいる患者様にとって、代償性発汗のデメリットと手汗の悩みを比較検討し、両側同時手術か片側手術を受けるかの選択権利を持つことは極めて重要です。さらに片側手術後の半分量の代償性発汗を体験した上で、対側手術について患者様と共に検討できる治療価値は大きいものと考えます。

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